2022.01.28 Fri

防災の調べ学習。明日が来ることの尊さを学んだ。

現役小学4年生 Iさん(香川県)へのインタビュー。
  • お友達と手をつなぐと怒られる。でも、学校は楽しい。
  • タブレットを使った学習では、タイピングとパスワードの管理が難しい。
  • 防災の調べ学習を通して、自分は大丈夫と過信せずに、備えることの大切さを学んだ。
  • 昔のような小学校生活に戻りたい。

    小田:新年初回は、香川県の小学4年生、Iさんにお話しを伺ってまいります。
     早速、自己紹介をお願いしたいのですが、いま入っているクラブ活動や、習い事、おうちでの好きな過ごし方などがあれば、教えてもらえますか。

    Iさん:クラブはパソコンクラブに入っています。タイピングの練習をしたり、Googleで香川県について調べたりしています。習い事はスイミングをしています。家ではお絵描きをよくしています。

    小田:パソコンクラブに入りたい!と思った理由はありますか。

    Iさん:キーボードを打つ時のカチャカチャという音が好きだったのと、インターネットを使って調べたりするのが楽しいと思ったからです。

    小田:少し前のことになるけれども、去年、コロナで学校がお休みになったとき、どんな気持ちになったか覚えていますか。

    Iさん:「長いお休みだな~」と思いました。お友達と遊ぶこともできなかったので、宿題を終わらせたら、家で過ごしていました。夏休みや冬休みだったらラッキーって思ったと思うけど、コロナで学校がお休みになったときは、はやく学校にいきたいと思いました。

    小田:1年たった今、どんな思いがありますか。

    Iさん:コロナでいろいろと変わったけれど、学校は楽しいです。
     コロナの前は、お友達と手をつないだりしたけど、今は手をつないだら怒られるし、たくさんのお友達と一緒に遊ぶこともできなくなりました。しょうがないとは思うけど、1つのおうちに遊びに行くときは4人までとか、お約束が決まっています。

    小田:「しょうがない」って思えるIさんはすごいと思う。

    Iさん:給食の時間は、コロナの前は1年生から6年生までが一緒に食べることがあったけど、コロナになってからはクラスでだまって食べるようになりました。集団登校も、夏祭りの盆踊りも、ラジオ体操も中止になり、運動会も縮小され、コロナになってから入学してきた下級生の子たちはとてもかわいそうだと思います。
     一日でも早くコロナが落ち着いて、昔のような小学校生活に戻りたいです。

    タブレットを使った学び。タイピングとパスワードが課題。

    小田:コロナになってから、きっと、学校での勉強の仕方が変わったと思います。その1つが、タブレットを勉強で使うようになったことだと思うけれども、Iさんの学校ではタブレットをどんな風に使っていますか。

    Iさん:国語の時は辞書の代わりに使っています。社会の時は地域の特産品など、地域のことを調べるときに使っています。理科の時は運動場や中庭に持って出て、虫や植物の写真を撮ったりしています。

    小田:タブレットを使った勉強をする中で、大変に思うことはありますか。

    Iさん:タイピングの難しさがあると思います。
     あとは、パスワードが他のお友達に知られないよう、難しいパスワードになったりしました。

    小田:タブレットは授業以外では使わないですか。

    Iさん:雨の日は外で遊べないので、昼休みなどの長い休み時間にちょっとだけタブレットを使っていいときがあります。そのときは、ミライシードっていうアプリや、ヤフーキッズでゲームをしたりしています。

    小田:これから先、タブレットを使って勉強していくうえで、楽しみなことはありますか。

    Iさん:今後は、タブレットの中に教科書が入るようになると聞きました。ランドセルが軽くなるので、はやくそうなればいいなと思います。

    当たり前のようにやってくるはずだった明日。

    小田:Iさんは今年、防災をテーマに調べ学習をしたと伺いました。どのような内容か教えてもらえますか。

    Iさん:日本でおきた過去30年の地震のなかで、特に被害の大きかった阪神淡路大震災と東日本大震災について、それぞれの地震の規模や被害、当時の話をインタビューしてまとめました。それをもとに、今後30年以内に70%以上の確率で起こるといわれている南海トラフ巨大地震への対策を考えました。


     

     

    小田:どうして防災をテーマにしたいと思ったか、覚えていますか。

    Iさん:毎年1月になると京都では防災の勉強をするとお父さんから聞きました。私もテレビで阪神淡路大震災に関する特集番組を見て、倒壊した家の前で呆然とする人々の映像から「こんなんなったら大変やなぁ」と思っていたのですが、お父さんからは「あと30年以内に香川もこんな地震が来るで」と言われ驚きました。大きい地震が来たら私の家はどうなるんだろう、どうしたらいいんだろうと思い、調べてみました。

    小田:Iさんのまとめられたもののうち、特にこのページには心打たれました。

    Iさん:この調べ学習をしているときに読んだ本の中で「当たり前のようにやってくるはずだった明日」という文章が私の心に残りました。震災の恐ろしさを学んだ私ができることは、震災への正しい知識を身につけて自分は大丈夫と過信せずに震災への備えをすること、そして明日が来ることがいかに尊くて、幸せかということを家族や友達、地域の人に伝えて、1人でも多くの人の命を守ることだと思いました。

    小田:Iさんはこれから先、どんな職業についてみたい、という夢はありますか。

    Iさん:なりたい夢はたくさんあるのですが、弁護士や病院の先生になりたいです。

    先生、ありがとう。

    Iさん:コロナでの休校のとき、2年生の3学期でした。3月に先生の異動の発表があり、当時の担任の先生が異動になりました。離任式もなく、お別れを言えないので、今までの御礼とお別れの言葉を手紙に書いて、お母さんに届けてもらいました。
     後日、先生から家にお手紙が届きました。そこには、私たちともっといたかったこと、立派な3年生になってくださいねと書いてありました。
     私は何をしたらいいのかわからないので、目の前のことだけ取り組んで、日々を過ごしていました。そしてお正月に届いた先生からの年賀状で、私の文化祭での絵などを見てくれたことを知りました。学校は変わっても、私のことを覚えてくれている先生の気持ちがとてもうれしかったです。
     先生、ありがとうございました。

    小田:Iさん、本日はありがとうございました。

    話し手

    Iさん … 香川県在住の小学4年生。

    聞き手

    小田直弥 … POWER FOR TEACHERS編集長。東京学芸大こども未来研究所学術フェロー。国立大学法人弘前大学助教。

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